コロナ禍でのインフルエンザ・・・予防の意義
 コロナ禍の本年度は、インフルエンザについて、もう一度気を引き締めて、感染予防していくことが大切です。
 昨シーズンは、新型コロナウイルスに対する予防対策が功を奏して、インフルエンザの流行はみられませんでした。
 同様に、乳幼児に流行するRSウイルス感染症も、昨シーズンはほぼ完璧に予防できました。ところが、新型コロナウイルスの流行が続き、感染対策を十分しているにもかかわらず、この夏場に例年よりも大きなRSウイルス感染症の流行が発生してしまいました。そして、この原因は、自然なウイルスの暴露を受けなかったために、免疫の増強効果が得られなかったことが大きな要因ではないかと考えられています。
 そしてRSウイルスと同様に、インフルエンザウイルスにも自然暴露されなかったことで、免疫増強効果が得られておらず、この冬には、インフルエンザも大流行する懸念が指摘されているのです。
 これらのことから、インフルエンザに罹患したことのない小児や、罹患すると細菌性肺炎を合併しやすい基礎疾患を有する方や高齢者は、とくに、インフルエンザの予防接種を受けておく意義が大きいと思われます。
 この冬にインフルエンザが流行しますと、コロナ同様に感染防護しての検査が必要になり、医療提供に困難が生じてしまいます。是非、インフルエンザの予防接種を受けましょう。
 
※ 9月29日に、日本感染症学会から『2021-2022年シーズンにおけるインフルエンザワクチン接種に関する考え方』が公表されました。ご参考にして下さい。